人工知能の歴史を振り返る
この本を読んだ。なぜ今AIが注目を浴びているのかが歴史を振り返りながらわかりやすく書かれている。とても面白かった。その中で書かれている人工知能の歴史をまとめてみたいと思う。
どうやら人工知能ってのはブームがきては冷めるといったサイクルを二度経験しているらしい。
第1回目ブーム
1度目のブームは1956年頃。アメリカで「ダートマス会議」ってのが開かれます。そこには情報理論学、数学、社会学、経済学、認知学それぞれの学問でトップクラスの学者が集まり人工知能ってのを作ろうって話あったのです。その時、人工知能のおおよその方向性、こんなことをさせたいってのが話し合われたみたいです。
会議で決まった方向性の元、人工知能が開発されていきます。最初は調子が良く「10年以内に考える機械」ができると開発者は思ってたみたいです。これは、世の中の「もし〜なら、〜せよ」ってな方法で当てはめていくって方法でした。最初は、うまくいっていたのですが、途中からとたんに問題点が見えてきます。有名なので「フレーム問題」ってのがありますね。そして、10年でできるはずの人工知能は到底実現できるものではないって結論でブームは終幕を迎えました。その後、熱はすっかり冷め一回目の冬を迎えます。
第2次ブーム
次にブームとなったのは1980年頃に起こりました。「エキスパートシステム」というものが火をつけます。これは、一回目と基本的な仕組みで「もし〜ならば、〜をしろ」ってものなんですが、これを職業に特化しようってやり方です。日常生活をプログラムすることは難しいけど、仕事ってのはある程度システム化されているのでプログラムしやすいって所に目をつけ、様々な職業のエキスパートシステムが作られました。しかし、これもルールベースで作られているので融通が利かず、結局1次ブームのように人間の応用力、判断力を再現できない所がネックとなりました。お金を出していた企業はどんどん手を引き二度目の冬を迎えます。
その後の人工知能の進化
二回目の冬から2010年くらいまではブームはありません。しかし、人工知能の制度は高まってます。1980年代と今では大きく違うことがあります。それはデジタルデータの数です。インターネットの普及により、当時と比べデジタルデータが爆発的に多くなってます。
今主流となってる人工知能はその膨大なデジタルデータを使った統計です。現在、iphoneのsiriとかがこの仕組みを使ってます。どういったものかというと例えば「車の一般的な燃料は?」と質問すると「ガソリン」とその人工知能が答えたとします。でも、この人工知能は、車の仕組みを理解して、
「この機械が動くにはエンジンを動かす必要があり、それにはガソリンが必要だ!!」
と考えたわけじゃなく、膨大なインターネットを超高速で調べ上げ、車の燃料はガソリンって言っている人が多いなぁ〜と統計を取り、それらの中で一番多かった答えを回答として出しているんです。
本流の人たちからは
「こんなの機械は何も考えてないじゃないか!!」
といって批判する人工知能学者もいます。ただ、このシステムの方が解答率が今まで作っていた人工知能よりはるかに高い制度を叩き出したんですね。だから、現在の人工知能の主流は統計システムなんです。
第3次ブーム、それは今でしょ!!
現在、第3の人工知能ブームが起きてます。それはなぜか??新構造の集積回路とディープラーニングっていう手法で、今までのコンピューターではできなかった特徴量を得ることができるようになったんです。googleのこの構造のコンピュータはyoutube上にある無作為の画像、数千を見て「猫」を認識しました。
これのどこがすごいのか。今までコンピュータは「ざっくり見る」ってことが苦手です。先ほどの猫の例でいうと、猫ってのはいろんな種類があるのはもちろん、同じ種類の猫でも個体差もありますし、同一の猫でも角度や時間によって見え方が変わります。それらをコンピュータは同じグループと判断できないんです。
僕たちは、友達が髪を切ってきても同一人物として認識できます。物事を大まかに見る方がこの世の中、有利だってDNAレベルで知ってるんですね。
ただ、コンピュータは少し違えば、見る角度が違えば違う個体として認識してしまします。それを新構造の集積回路はできるようになったんです。猫の画像をたくさん見るとこんな形のものが猫なんだなぁ〜ってざっくり見ることができるようになったんです。
これを応用すると、ネット上にタグ付けされていない僕の写真とかもコンピュータが判断して探してこれるようになるし、雑音の中でも話し声が聞き取れるようになります。簡単に言えば人間に近づく大きな一歩を踏み出したって感じですね。
この技術のおかげで今第三次人工知能ブームが起きてます。これからのコンピュータは人間により近いことを高精度で行うようになるでしょう。その期待がこのブームに込められているんですね。
最後に・・・
本当にざっくり書きなぐってみました。実際の事例と違うかもしれないけど、僕が理解したのはこんな感じです。とにかくこれからの人工知能に期待する今日この頃です。